Spirit of Pharoah

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Pharoah Sandersが亡くなりました。Acid Jazzどストライク世代の私も多大な影響を受けた一人である。彼の功績や後の音楽シーンに与えた影響については、元DMRの小川充さんの記事がダントツのクオリティなので私の駄文よりも、まずはこちらを読んで欲しいです。

http://www.ele-king.net/news/rip/008880/

 

私が彼の音楽を間接的に知ったのは、最初はAce of Clubsというグループが1991年にAcid Jazz Recordsからリリースした"Everything's going to the beat"という、JazzミーツBreakbeatsな12インチシングルで、いまやダンスクラシックスとしても名高い"You've got to have freedom"をサンプってそこそこヒット、つうても当時の私はまだ元ネタについての知識も関心も無く、でもこの12インチは何度も聴いたものでした。

私がファラオを意識し始めたのは、やはりGallianoが1992年に放った特大ヒット"Prince of peace"から。とは言え、当時のレアグルーヴ人気は凄まじく、ファラオのレコードはどれも一万近く、あるいは万超えもあったりとなかなか手を出せない領域でした。

その後1993年だったか、高校の同級生との偶然の再会してレコードが繋ぐ強い結束が生まれて、元々昔のジャズから現代の音楽へ辿ってきた彼からファラオのレコードを色々と教えて貰ったのは僥倖でした。

最初に買ったのはインパルスのベスト盤、東北沢の名店エボニーサウンズで安く手に入れることができた。

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ジャケど真ん中に書き込みが。。TONYて誰やねん。

その後、大名盤の"Love in us all"もやはりエボニーでゲットしたのでした。ジャケも素晴らしいですよね。

2006年だったか?にはブルーノートでの公演で間近に彼の音楽を聴くことも果たした。運良く"You've got ~"も演奏してくれて、しかもイントロからあのフレーズを吹いた時の興奮は、今も鮮やかに覚えている。

前衛かつ先進的な音楽性とエモーショナルな演奏を通じて愛と平和を伝えてきた彼が去ってしまった現代は、ネットではあらゆる憎悪が渦巻いているし、リアルでは侵略戦争まで起きてしまっている。こんなんで良い訳がない、と強い意志を持って彼のレコードをターンテーブルに載せる。子ども達は本を読んだりゲームをしているけど、こうしてレコードを掛けていれば、そのうち興味を持ってくれるかもしれない。