活字中毒者2022

片道1時間の通勤時間、ボーっとしてると勿体無いので久々に本をたくさん読んでいる。

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<渋谷音楽図鑑>

前から読みたいと思っていたところ、近所の図書館にありました。結論、渋谷系を通過してない人たちにも是非読んでみてほしい良書。渋谷系ってワードに惑わされるけど、結局のところ良い音楽を産む土壌や水脈というのは、時代を跨いで繋がっているという事。それと、ここで語られている渋谷系フリッパーズギターやピチカート、オリジナルラブ辺りに留まっているけど、当時の渋谷系てのは、レコードとDJを触媒にしてポップスもロックもジャズもレゲエもヒップホップもテクノもハウスも何でもあって、時に交わりながらもそれぞれが発展していった文化だったと自分は考えている。そしてこれを、バイアス無く最も忠実に書ける人物は、荏開津広さんしか居ないのではと勝手に思っています。

もう一つ欲を言うなら、これら水脈から発掘されずに忘れ去られた音楽をもっと知りたい。

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<ヒットソングの作り方>

こちらの本は上と重複する内容が割と多いけれども、充分楽しめた。この2冊は資料として持っておいても良いくらい。デジタルで安価に気軽に読めると良いのだけど、音楽と違って書籍はなかなかそうならない。Kindle Unlimited入れっちゅう話なんですよね。

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<文化系のためのヒップホップ入門>

昔から存在は知っていたけどタイトルから胡散臭さがプンプンして読む気が起きなかった。この度図書館にあったので、通勤時間を有効活用すべく借りて読んでみた。結論はヒップホップ入門でも何でも無かったし、頑張って読み切ったけども時間を浪費した。

今や何処でも手に入るようなヒップホップの歴史の上澄みを掬って、それら上から目線と嘲笑的態度で語るような文章が全面的に不快であった。

そもそも文化系という括りは、恐らくかつてのステレオタイプなヒップホップにありがちなマチズモ=体育会系の対極として打ち出していると思われるし、やはりそこには"僕らはもうちょい知性がありますよ"という優越的スタンスが見え見えで浅ましい。

ダメ押しとして、挿絵が絶望的にダサいのも本のクオリティを物語っている。キャンプ中に読んでいたら間違い無く焚火へ投げ込むだろう。

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<ゼロ年代の音楽>

第2弾らしいがサブタイトルが今となってはサムい。○ッチをキーワードにポストフェミニズムについて論ずる、という意図があったのだろうけど、この20年でのジェンダー周りのアップデートが凄すぎて、ゼロ年代なのに昭和の読み物みたいになっていた。執筆陣も偏っているしアレなんだろうな。アレって何?三田格さんはStudio Voiceで素晴らしい記事書いていたこともあって大変尊敬しているのですが。

そいや、この本とは関係ないけどStudio Voiceで思い出した。何ヶ月か前にSDGsに関する会社のイベントでゲストスピーカーに谷崎テトラさんが出演され、嬉しくて質問チャットに一番乗りして書きこんだのですよ。何百人?それ以上観てるのに皆んなダンマリだったから。私が書きこんだの呼び水に、その後幾つか質問出て盛り上がって良かった。

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<MUSIC>

藤原ヒロシ氏が影響を受けてきた100+20のディスクガイド。ヒップホップでもお馴染みのソウルやファンクも多数取り上げているけど、ヒップホップは皆無。ヒップホップ黎明期に関わりあったけど、そこにコミットしなかったのはちょうど別の雑誌での特集読んでいて納得した。近年神格化されすぎているので、昔のBum TVでのハジケっぷりを誰かまたYouTubeにアップして欲しい。根底にあるロックやパンクを感じる。

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<ラム肉の歴史>

音楽と全然関係ないけど、最近我が家ではラム肉ブームなのです。世界的にはラム/マトンはメジャー肉だけど日本でいまいち定着しないのは何でだろうか。何ならちょっと飼育してみたいとすら考えた。飼わないけど。

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昔、某人気ペルシャ料理店でアルバイトしたことのある人が、お店の人がアパートで羊飼ってたという衝撃エピソード聞いたことを思い出した。