RSD レコードストアデイ 2024

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近年での空前のレコードリバイバルとは裏腹に、年々形骸化してる感のあるレコードストアデイ。2024のラインナップは特にそそられるブツも無く、穏やかな日々を過ごせそう。あのちゃん辺りは争奪戦になりそうだが、どうせ転売目的が多数派だろうと、貧しくなった日本を感じる。

どうせなら、昔瞬殺だったタイトルをリプレスすれば良いのに、と思う。まぁたかだか二百〜数百程度じゃ大したアガリにならんから、やらないのかもね。

私がレコード化を熱望するのはこちら。

 

•ドリカムの各種アルバムもしくはベストアルバム:地獄のゆうせんプロモ争奪戦に終止符を打つべくLove Goes Onはじめ初期作やベスト盤あたり出したら結構売れるのではないだろか。売れないのか?

安室奈美恵Queen of Hip Hop以降アルバムもしくはベストアルバム:これも出そうで出ないっすね。avexも商売そこまで感じてないのかもな。

米光美保のFrom My HeartとForever:恋は流星をレコード化してくれと念じていたら通じたから、これらも念じとくか。それにしても、他の同期パードルはたまに所在確認取れているけど、よねみーは元気にしてるのだろうか。

坂本美雨のベストアルバムもしくはThe Other Side of Loveの7インチ化:これも結構需要あるんじゃないかと睨んでるし、何ならぐっさん(夫の山口博之)にはレコード出したら良いのにと、これまでに数回くらいは言ってるんですけどね。

森口博子Gundam Song Covers 3部作:LPサイズジャケ付CD買ったんすけど、やっぱりレコード欲しい。

渡辺俊美/としみはとしみ:本当に好きで今でもよく聴くアルバムだし、今のシティポップブームにもフィットすると思うのですが。Zoot16Tokyo No.1 Soul Setも好きだけどコレがダントツぶっちぎり優勝。

小松秀行/Breezin':オリジナルラブのベーシストだった方。友人のレコメンで知ったんですが最高の2015年作フュージョン。80s全開なシャレオツジャケ含めレコードで所有したいと思わせる傑作。

 

他にも思い出したら書き足そう。

 

Endless Planets

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もう一ヶ月ほど前の話なんだけど、Austin Peraltaの2011年作が10年以上の時を経てLP化され、我が家にも届いた。もっと話題になってもいいはずなんだけどなぁといった不満もあり、我が辺境ブログに書くことにした。

当時、あのBrainfeederからジャズのアルバムがリリースされたとの事で少し話題になったはず。私はペラルタという珍しい姓に引っ掛かり、調べたらやはりあのStacy Peraltaの息子と判りすぐにCDを購入した。父親は伝説的スケーターチームZ-BoysのオリジナルメンバーにしてTommy GuerreroやRay Barbeeなども在籍したBones Brigadeを率いたレジェンド中のレジェンド。その息子がどのような音楽を奏でるのか非常に興味を持ったわけだが聴いてびっくりするほど流麗なジャズアルバムだった。

ちなみにBones Brigadeのヴィデオは初期3作、特に1作目冒頭でステイシーがブラウン管TVぶち壊して中からスケートボード取り出すところやダウンヒルかますシーン、ランス(Lance Mountain)がスケートボードで街を流すシーン、2作目"Future Primitive"冒頭のゲレロがS.F.の街をトリックしながら流すシーン、3作目"Animal Chin"ラストの巨大ランプなんかは見どころ。

あと、何年か前にAnimal ChinのサウンドトラックがLP化されたんだけど買い逃したので、いつか手に入れたい。

The Bones Brigade Video Show

Future Primitive

Animal Chin

 

で、肝心のオースティンの作品については、ew.DMRの小川充さんの記事が素晴らしいのでこちらをお読みください。

https://www.ele-king.net/columns/010771/

 

ストーブ列車

DJプレミアの件で色々書き散らしたらめちゃくちゃ閲覧数増えて有難いと言っていいのやら、どうやら。

今回はレコードには全く関係無いお話。

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JR東が1日乗り放題しかも特急もOK(指定席予約は2回まで)という太っ腹な企画をやっていて、以前に息子がストーブ列車乗りたいと言っていたのを思い出し、金曜日に休み取って日帰り弾丸ツアーを敢行。

東北新幹線の始発秒殺で取り損ねたが、臨時列車が追加され運良く獲得。

新青森に10時ちょい過ぎ着。そこから奥羽本線五能線待ってると昼のストーブ列車には間に合わない。そこで路線バスでの昼まえ五所川原入りワンチャンに賭ける。

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新青森10:40発が10分くらい遅れ、こりゃ昼の便間に合わないなーと半分以上諦めてのんびりとバス旅を楽しんでいたが、バスはずんずんと走って何と11:45と15分前着。しかし、津軽鉄道の改札激混みで満席を覚悟。入札ひと段落して駅員さんに聞いたらまだ大丈夫との事で勝利宣言。

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かなり年季の入った石炭ストーブ付客車をディーゼルカーが引っ張る。団体客も居るらしくほぼ満席で出発。

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今年は雪がめちゃくちゃ少ないらしいが、それでも3月で雪景色が楽しめるのは素晴らしい。しかも出発そうそうに白鳥も観ることが出来た。

お約束のスルメ、皆買いまくっていて躊躇してしまい日本酒だけ購入。

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終点の津軽中里まで行って、1時間弱のお昼タイム。気になっていた駅構内の食堂へ。私は麻婆炒飯¥750、ボリューム/味共に佳し。

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お腹いっぱいだけど、やはりスルメは試すべきだろうとの息子の提案を受け、帰り便で購入。

添乗員さんが炙って捌いてくれる。車内放送で強調してたけど2度焼き禁止だそう。炙りスルメ最高に旨い。ミッション完遂。

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青森に出て、お土産屋を幾つか回ってから風呂タイム。駅から10分弱のところに何と温泉があるので立ち寄る。おとな¥480/こども¥170!良心的価格なので青森観光には是非組込みたいところ。

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17時間の行程のうち、自宅から五所川原の往復で11時間を費やすほぼ移動ツアーだったけど、満足度は高かった。あと、普通にりんごジュースやりんごのお菓子がどれも美味い。

DJプレミア完全版を巡る問題

発売前から話題沸騰となるもGenaktion氏の指摘を発端に出版倫理を巡る大問題に。発売当初は私もいちカスタマーとしてギリ好意的スタンスで傍観していましたが、これは流石に看過出来ないと密林レビューも修正。Genaktion氏を支持するアティテュードも示すべきだと感じた次第。執筆陣の殆どがスルーという状況は非常に良くない。で、調査集計してみた。

 

執筆者(巻末クレジットに基づく) 23名

※DAWN主宰含む

無反応者(スルー) 19名, 83%

反応者(リツイート等) 3名, 13%

反応者(罵詈雑言吐き散らし) 1名, 4%

 

暇なんでレビュー数など目視確認

コラム・対談・インタビュー 19件

レビュー 438件

計 457件

※件数間違っていたらご指摘を、記事のレイアウト大きさに係わらず1レビュー1件でカウント

 

各執筆者の件数も取ったんですがサマると

罵詈雑言執筆者記事 5%

無反応スルー者記事 90%

で構成されているといった具合です。

残り5%かろうじて良心か

 

それにしても、罵詈雑言レコード屋スタッフのつぶやきには残念としか言いようが無い。"ヒップホップの勉強なんか今更しねえよ"なんて言う店員が居るレコード屋でみんな買い物しようと思うのだろうか。私は嫌だ。

 

以上、もと村人のささやかな抗議でした。

 

追記

唯一、荏開津さんが編集者と読者に対して意見を表明した。荏開津さんは昔から尊敬する"音楽ライター"であったし、今回の表明を通じて今もそれは変わらない。でも、もはやヒップホップ/ラップにはアーティストとプロダクトに対してマーケットとカスタマー/リスナーだけ残ればいいやという気持ちが強い。

 

というのも、他方では某韻踏んでない雑文書きが今回批判してる人を見下して"音楽オタク"だの"ルサンチマン"だの"バカ"だのレッテル貼りして見苦しい。我々はオタクでもバカでも一向に構わないので、さっさと限界集落となってゆく村と運命を共にして朽ち果ててゆけば良い。

 

DJプレミア完全版

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発売前から話題になっていたので買いました。私はプリモを追っかけていたのはThe Ownerzが出た2003年くらいまで。レコ屋から足を洗ったのもありそこから先は追いきれてないからこういう本があると助かる。急いでこしらえたのか、誤字が結構あるのが気になった(自分は脳内補正効くので問題なし)。ディスクガイドはアルバムとシングルがごっちゃ混ぜなんですが分けて欲しかった。で、シングルカットされたものは網羅して欲しかったな。プロダクションに関するコラムもありますが、チョップ&フリップについてはチョップはショウビズがオリジネイターだと雑誌フロントのインタビューでも言っていたはず。

とりあえず一家に一冊あると良い、かもしれない。誤字誤植ひどいけど。

 

-追記-

やはり、かなりの誤字誤植を問題視している読者も少なくないようだ。値段も税込¥2695するわけだし、もうちょい何とかならなかったものか。レコジャケもゴミカスブート盤シングルや一時期無価値と見なされていた独盤UK盤シングルなんかはちゃんとジャケ写あるのに、USプロモ盤シングルなんか持ってないのかアルバム盤のジャケで誤魔化しているのは何なんだ。完全版を名乗るなら、こだわりを見せるべきであったろう。

とりあえず大昔に書いたOmarのKeep steppin'再掲しとくか。こちらのUS盤は結構珍しいのではないか。超絶暇な方は2005年まで遡ってみてください。

調子悪くてあたりまえ

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近田春夫の自伝があったので借りてきた。ヒップホップに関する話を除けば全面的に滅法面白い。育ちの良さと音楽的才能、それらがもたらした唯一無二のコネクションを駆使して業界を縦横無尽に自由奔放に生きてきた人なんだなあ、と。

ヒップホップ黎明期では藤原ヒロシ高木完ECDからDr.TommyにDJ Yutakaなど横断的に繋いだ功績はあったのだろうけど、やはり90年代以降の日本のヒップホップシーンとは別の世界線。ヒップホップのライミングやプロダクションの話においても、音楽的才能がむしろバイアスとなって本質にリーチしていないなと思った。90年代前半のヒップホップ、日本ではまだ大きな経済圏を築くに至らず、むしろストイックさ求められていたから、氏の性格には合わなかっただろうと推察。

一方、その後トランスに振り切ってAnoyoといった伝説的なイベント/フェスを長きに渡って主催していたのはホント凄い。私の友人もトランスのバンドで何度か参加していたはず。

唯一匿名で出ているお金持ち逃げマネージャーK氏については、長年の謎が解けた。私が外房に住んでいた頃、この方も南房総に住んでいたはず。スタジオヴォイスなどで記事を読んだことがあるのと、北山耕平のTwitterから存在を知ったんだっけ。別名で活動されていたと思うが、かつては東京の音楽シーンに深く関わっていたと思われるコメントが幾つかあって、これがようやく繋がった。

2023

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クリスマスまでの長いセールも終わって、個人的には無事に年内の仕事も納めた。

今年は、あまりレコード買えてなかったなぁ、と買ったレコード達を思い出し、とりあえず新譜で買ったものをリストアップしてみたら、そこそこの枚数を買っていた。

 

・The Show - Yoji Yamamoto collection music / The Beatniks

・The Show - Yoji Yamamoto collection music / Yukihiro Takahashi

・Bloom / Mime

・Thru Traffic / 東北新幹線

・浮遊空間 / 亜蘭知子

・Heaven Beach / 杏里

・ビューティ/ 坂本龍一

・Hayama Nights / ナツ・サマー

・Here / Kojoe

・The Classics / Hans Zimmer

・Around the World in 80 Days -OST / Hans Zimmer

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ -OST / 澤野弘之

・Rojo / Lil Summer

・ナツ・サマー&ダブ・センセーション / ナツ・サマー

・A Symphonic Celebration / 久石譲

・ドーナツ・ドードー -OST / ショーン・バイロー

・語り継ぐこと / 元ちとせ

・The Science / Main Source

・Waking Life / Twigy

Jonny / The Drums

・Maktab / JJJ

 

輸入盤は高額過ぎて手が出せないちゅう訳で新譜は国内盤に偏向しているのが判る。円安恐ろしや。先日、新宿出かけたついでに雲丹音入ってみたが、新譜も中古も皆高い。でも賑わっていたな。

国内盤は嬉しい再発や初LP化も。元ちとせはずっと念願であった。一方で近年にスカフレイムスと演った盤は売っちゃったけど(ビックリする程の高値が付いた)。

来年発売予定で予約済みの盤でも、ウィザードリィのサントラや、オースティン・ペラルタの遺作などのLP化マジ嬉しい。中古も同じくらい買ってたけどリストアップめんどくさいから、いいか。ヤフオクは売買履歴120日で消えるのヘボ過ぎやしないか。アマゾンはめちゃくちゃ遡れるのに。レコードブームとは言うけれど、中古盤も漁場の衰退を感じた一年であった。