Welcome to the story pt.1

少し前に、自分の音楽遍歴を振り返る内容を書いてみたが、まさかのヤフーブログ終了予告。やはりネットの情報や知識も永遠とはいかず、バベルの図書館にはなり得ないんだなあとしみじみ思った2019春。

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ここ10年近くは、音楽は時々合う親しき友人のような存在だが、四半世紀の間は、私にとっては人生そのもの。なんでこんなに音楽にのめり込んだのか。最近では息子がDJに興味を持ったりしている。いつかとーちゃんの音楽遍歴を辿る日が来るのかと思いつつ、自身を振り返ってみる。

これらを通して(特にわが子どもたちに)言いたい事を先に書いとく、当たり前のことばかりだけど、
・本当に好きなことに忠実に、地道に続ける
・好きなことのために、好きでないことをするくらいの寛容さを持つ
・好きなことや得意なことを常に複数持っておく
・たまに、趣味や嗜好の全く違う人とのコミュニケーションを取っておく
・学校の勉強はきちんとやっておく
・行きたい場所やイベントは思い立った時や行けるうちに行っておく
・定期的に大自然の中に身を置いて、気持ちをリセットする、もしくはアウトドアのスポーツや趣味を持っておく

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1984
それまで音楽というものに一切興味を示さなかったファミコン少年が突如目覚めた年である、しかも洋楽に。ちょうどUSでは大物アーティストが映画の様に壮大で凝ったPVを作るようになり、日本にも民放の深夜枠でMTVが始まった(マイケル富岡期と呼ぶ、いや呼ばない)。東京サバービア(=多摩地区)に住む少年は衝撃を受け、夜更かしをして毎週末ベストヒットUSAやMTVにかぶりついた。また、受信状態は良くなかったがテレビ神奈川(TVK)も見られたのは大きかった。ミュートマことミュージックトマト、ビルボードTop40(リスペクト中村真理)、金曜夜のソニーミュージックTVなど音楽番組が充実していた。カッペ小学生の間でもMichael Jacksonは既にポップスターとなっていた。Culture ClubやCyndi Lauperは派手なルックスが話題となっていたが、何より音楽がカッコよかった。あと、Van Halenなんかも良く流れていた。そんな中で私が一番引っかかった曲はDuran Duranの"The Reflex"であった。Nile Rodgersによる印象的なイントロに差し替えられたシャラララなリミックスの方である。日本でも大変人気があり、サントリーウイスキーのCMでも使われていた。何てファンキーな小学生か、当時の自分を褒めてやりたい。

1985
ようやく初めてレコードを買ったのだが、何故かKuwata Bandの7インチシングルだった。クラスで洋楽を聴くのは少数派で、邦楽の話題の流れで気になったのかもしれない。松任谷由実なんかも友&愛という当時全盛を極めていた貸しレコード屋(!!)で借りてきて、その年に買ってもらったレコードプレーヤー付きラジカセを使ってテープに落とした。お金は無かったのでノーマルテープだ。しかし、洋楽への憧れは強まり、洋楽なら何でも聴き漁った。a-haが日本でもアイドル的人気となっていたが、フィルムから線を描き起こした凝ったアニメーションだけでなく、音楽的にも気に入っていた。TVKで一度だけ、Tom Tom Club"Genius of Love"を観た強烈な印象が残っている。a-haと違いユル絵のアニメーションだ。しかし、どこの貸しレコ屋にもCDショップにもTom Tom Clubは一切存在しなかった。再会出来たのは大人になってアナログレコードを買うようになってからである。他によく聴いたのはABC、特に"How to be a millionaire"はこれも秀逸なアニメーションのPVでお気に入りであった。ミュートマのジングルでも使われていたっけ。マセた奴でなくても男子は皆Madonnaに釘付けであったが、自分は大人ぶってDire StraitsのPVが最高にクールだと知ったかぶりをしていた。ちょうど民放でアニメ・ザ・ビートルズの再放送を放映していて、自然と彼等の偉大な功績に触れることが出来たのも良かった。

1986
貸しレコ屋には時々通っていて、RUN DMCの7インチシングル"Walk this way"も借りた、これがヒップホップとの最初の出会い。一方でCDも世に広まり始めていた。以前から凄く気になっていたアーティストが新作をリリースし、これが私の初めて買ったCDアルバムとなる。Prince "Parade"だ。それまでのヒット曲のPVでも風呂から全裸でご登場"When doves cry"や、青空&雲のスーツ"Raspberry beret"(PVで使われているイントロ長いVer.が最高)で見た目も強烈であったが、何よりも音楽に惹かれていた。Prince無双時代だけに最高のアルバムで一生聴き続けられる。"Mountains"がフェイバリット。当時一番気になっていた曲がOMDの"Forever live and die"、色褪せない美しいメロディに痺れる。

1987
自慢じゃないが学校の成績は良かったが先生との関係は最悪で、それが益々と自分を音楽へと向かわせた。TVKはUSだけでなく、UKの優れた音楽も積極的に取り上げていた。この年、私の音楽的嗜好を決定付ける二つの作品がリリースされた。New Order "Substance"とDepeche Mode "Music for Masses"である。New Orderはシングルカットされた"True Faith"のシュールなPVと流麗なメロディーに釘付けとなった。Depeche Modeはシングルカットされたどの曲も耽美的かつダンサブルな名曲揃いだが、"Never let me down"を一番よく聴いた。学校ではclass clownを演じて先生と折り合いを付けてようとしていたが、結局は学校に自分の居場所はないとも感じていた自分を、この曲に投影しようとしていたのかもしれないと今になって想うのだった。余談だが、このPVに出てくる印象的な車、イセッタはいつか乗ってみたい車のひとつだ。