The return of Technics

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パナソニックの役員でありながら、プロのジャズピアニストである方の手記。
就職活動を中心とした学生時代からパナソニック入社/音響研究所配属、数々のプロジェクト成功からの突然の研究所解散、ジャズバンドの活動開始からプロデビュー、会社の様々な部署を経てテクニクス復活プロジェクトをリードし成功させるまでのお話。自身の音の記憶を軸に、人の心を揺さぶる音とは何なのかを技術者として、そしてミュージシャンとして追求し続ける真摯な姿勢に読み進むごとに引き込まれ、心を打たれます。そして最後の章でそれらの経験を踏まえた若い人へのメッセージがシンプルかつ力強く託されているので、いつか我が子たちにも読んでもらいたいなぁと思う。
著者の小川理子さんはジャズ方面の方ですが、とあるプロジェクトで大友良英The Orbのアレックス・パターソンとお仕事をされたこと、SL-1200復活を望む署名嘆願書のエピソードなどワタクシのようなレコ馬鹿にも胸アツポイント満載で全てのダンスミュージック好きにお薦めしたい素晴らしい本です。
SL-1200復活時の価格が話題となりましたが、この本を読んで納得。姿形は往年のプレーヤーと瓜二つですが、今考えられる最高水準を満たすためにほぼ全面的に造り直されているのですね。私はコレ読んで感動するとともに最新のSL-1200、そしてオーディオセットが欲しくなりました。頑張ってメイクマネーしよう…

あと、小川理子さんは今でもジャズのアルバムを精力的にリリースされているので、いつかLP盤も出たらイイですね。それをSL-1200で聴いてみたいです。