2018

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とくにタイトル思いつかなかったんで、新しく迎えた西暦を掲げつつも、今年も安定の放置プレイでインターネットの辺境で適当にユルく漂ってまいります。

2015年に始まったFSD(フリースタイルダンジョン)で個人的にヒップホップリバイバルが始まり、昨年も今年も絶賛継続中です。昨年は国内外いずれもヒップホップは豊作の年でチャートを賑わし、例によってアレな雑誌や番組がアレなランキングを出す一方で、興味深い個人のランキング発信なども盛んでして、まぁとにかく活況であったと感じております。

書籍のリリースもマガジンやムックが中心ですが、こちらも豊作でありました。年末年始に気になってたものを幾つか入手、どれも素晴らしい内容でしたのでご紹介します(誰に?)。

まず何と言ってもコレ、Genaktion氏個人出版のZine(!!)である濃厚ヒップホップディスクガイド"Hip Hop Anti-Gag Magazine Vol 1.5"。Vol ~が示す通り1.0が存在し、こちらは見事に買いそびれ途方に暮れていたところにアップデート版が目出度くリリース。即、購入させていただきました。他誌には無い読みどころとして
1. メジャー/インディ問わず氏の勧める豊富なディスクレビュー、特にライムに関する情報量と濃さ
2.Ver 1.5で追加されたロウ・ガイ博士によるライム・スキームに関する説明、こちらはクラシック曲から最近の作品に至るまで、実例豊富に解説

特に2.に関しては、今まで私自身のライムに関する知識認識も充分でなかったと反省すると共に楽しく読むことが出来ました。博士は、名の通り説教くさいところがありながらも(笑)ユーモアがあり、多様性にも一定の理解を示していて愛すべきキャラクターです。
ディスクレビューもアナログのリリースが活発であった90年代後期から00年代中期の個人的には懐かしいアレやコレ、そしてそれ以降の作品も精力的にピックアップしており勉強になります。
紙の本は早々に売り切れてしまったのですが、電子版もあるので購入をオススメいたします(bandcampにて購入可)。
https://genaktion.bandcamp.com/releases

個人的には、いずれはkindleあたりでも購入出来たら嬉しいですね。また、氏は校正の重要性や続編に関する意欲をブログで語られておりましたので、次作を制作の折には、近所のヒップホップCDシングルコレクターで、普段は校正の仕事をしている私の保育園のパパ友にご相談いただければと勝手に願っております。

さて、次もたいへん話題となった某美文字少女を彷彿させるヒップホップ好きレディによるこれまた特濃日本語ラップディスクレビュー(一部DVDや雑誌あり)。かつて同人誌でリリースしていた作品の祝・メジャーリリース版(宝島社)。
これまた痛快な内容で可愛らしいレディが激ハードコアな作品を周囲の人々にやや強引に勧める展開ながらもクラシック/近年作・メジャー/インディ問わず面白いと思う作品を幅広くピックアップするバランス感覚とヒップホップマナーが素晴らしいです。途中のインタールード的読み物(パンチラインクイズ、体験者の声)まで異常な熱量(褒め言葉)。これを、本棚にさりげなく置いておき、息子が年頃になったら手に取って読んで欲しいなと勝手に期待してます。

さて、最後は雑誌blastに連載していた名物コーナーの増補文庫版。文庫にして1132ページと暴力的なボリューム、巻頭で古川氏も凶器や重しにも重宝と(笑)。私もFront創刊からblastは2001年頃までは全巻揃えてましたが、レコ屋卒業やら何やらでblast購入も途絶えてしまい、途中からは初めて読む内容なので楽しみです。
これ読んでて、ノリに既視感あるなぁと考えてたら思い出しました。椎名誠の"発作的座談会"、アレに近いですね。大の男たちがしょうもない事を延々と語り合う(褒め言葉)。しかし、文庫版発刊にあたり2017に開催された同窓会では、50代に差し掛かり仕事の悩みだけでなく、子どもや家族に老後の問題など、年齢に応じた侘び寂びに10年前とは違い家族を持った私も共感できます。このくだらない座談会是非とも定期的に継続・発信していただきたいと望んでおります。
あらためて、中心人物であるライムスターの宇多丸師匠の尋常じゃないインプットを経て放出される言葉の数々に感心いたします。そして時々吐く毒に仲間からたしなめられるのもご愛嬌。時事ネタを交えてますが、基本与太話なので、年月が経っても楽しく読むことが出来ます。